その日のうちに青年は彼の彼女を呼び出した。
以前、一度別れるという話をしてからもクラスでは自然に接していたように見えた彼らだったが、やはりどこかギクシャクしていた。
ついに完全に別れることになると思ったのか、彼女を呼び出した時、彼女は寂しそうな顔をした。
屋上に来た彼女に一緒の大学を志望していること。そして、タイムマシンを作りたいことを伝えた。
荒唐無稽な話を彼女は笑うことなく真剣に聞いていた。
そして青年が話を終えると笑顔で言った。
「今まで、東大で医者になるのが君の夢なんだって、邪魔しちゃダメなんだって思ってた。君が何かをしたいって言ったの初めてだったから、応援しなきゃって。でも、会えないのはやっぱり辛くてさ。でも、本当の夢を見つけて、それを近くで応援できるんだね。
それがすっごく嬉しいの。一緒に夢を叶えようね」
青年は一番の理解者が一番近くにいることに、そしてこれからも共に過ごしていられることに堪えきれないほどの喜びを感じた。