偶然にも同じメニューを注文して席に着くと、ポテトを頬張りながら男は言った。

「でさ、なんで君はこんな状態になっちゃてるわけ?」

「その歳で朝からポテトかよ、健康に悪いぞ。俺の話よりその子の話しろよ。

「失礼だな、まだ30代前半だぞ。確かにやつれてはいるかもしれないが…」
「じゃあ聞きたいんだけど、この子とはどんな関係なんだ?」

少年は数秒の沈黙の後に

「昔の友達だよ。数年会ってないけどな…」

「連絡とかは取り合ってないのか?」

「2年くらい前までは頻繁に取ってたよ。だけどよ、勉強の邪魔だからって禁止にされちまってさ。それからも親の目を忍んでたまにかけてたけど、こうなってからはめっきり…。俺こう見えても有名中学に通ってるエリートだったんだぜ?今じゃ逆にその肩書きが恥ずかしいから中退しようと思ってるけど」

確かに彼の外見はおおよそ中学生とは思えない。髪は金髪でピアスを開けている。

「なんで学校が嫌になったんだ?俺は説教もしないから、単純に聞かせてくれ」

少年は再度声を上げそうになったが、今までこんな話を誰かにしたことはない。
なぜか彼は信用できると直感してボソボソと話し始めた。