1番酷いのは柚の親だ。
あんなの柚の存在を否定しているのと同じだ。
食べている間、それを思ったのだろう。
柚の目は真っ黒だった。
俺…いや俺らは中途半端に同情されても、声をかけられても嬉しくない。
よく、同情しない事が嬉しい奴も居るが俺らは違う。
俺らは孤独なんだ。
俺は小さい頃から1人だった。
だから慣れたが…心のどこかで孤独が嫌だった。
そんな孤独を柚が埋めてくれた。
柚は愛を知ってる。
でもそれは自分の目の前で見た物。
実際に貰えるものじゃなかった。
俺が思いを伝えた時も『私が亜蓮を愛せるか分からないけどそれでもいいなら』なんて言われた。
柚は愛を知っていても愛し方を知らない。
でも柚が俺に寄り添ってくれた。


