「言いにくいことではないんだけど、俺……」
そこまで言って、宙くんは口をつぐんだ。
さっきも思ったけど、会社を継ぐって即答しないんだな。
もしかして、天文学者の夢と両親が望む将来の間で迷っているのかもしれない。
そんな私の心の声を代弁するように、カズくんは「なんか、迷ってるみたいだね」と言う。
カズくんは、なかなか勘が鋭いかもしれない。
私のエスパーな親友、由美子なみに。
「……いや、俺は家を継がなきゃいけないから」
図星を突かれたからか、ハッとした宙くんは取ってつけたような答えを返す。
会社を継がなきゃいけないと、まるで自分に言い聞かせるような口ぶりだ。
おにぎりをもぐもぐと租借しながら話を聞いていたダイくんは、トドメとばかりにお茶で米粒たちを流し込むと、ようやく口を開く。
「あぁ、宙んちって不動産会社経営してるんだっけ。将来安泰だなっ」
「うーん……でも、宙はなりたそうに見えないけど」
笑うダイくんとは正反対の反応を見せるカズくんは、やっぱり鋭い。
まるでなにもかも見透かすように、宙くんを見つめている。
「宙、本当は会社を継ぎたくないんじゃない?」
「え、そんなことは……」
「なんて、簡単に言えないよね。これは俺の想像だけど、いいとこの家に生まれると周りからの期待もあるだろうし、自由に夢を持ったりするのは難しいんでしょう?」
核心という核心をとことん突いてくるカズくんに折れたのだろうか、宙くんは「あぁ」と言って苦笑いを浮かべる。
彼が素直に思っていることを口にした。
私の前では一度だって、本当の気持ちを打ち明けてくれたことはないのに。
でも、気づいてしまった。
カズくんはその考え方が間違ってるとは言わずに、宙くんの立場もちゃんと理解しようとしている。
彼が頑なになってしまう理由を分かったうえで、声をかけているから宙くんの心に言葉が届くのだ。
なのに私は、自分の気持ちだけを押しつけてしまった。
自分の夢を諦めて後悔しないはずがない、そんなの彼自身がいちばんわかっていることのはずだ。
それなのに責めるようなことばかり言って、宙くんが怒るのは当然のことだ。
そこまで言って、宙くんは口をつぐんだ。
さっきも思ったけど、会社を継ぐって即答しないんだな。
もしかして、天文学者の夢と両親が望む将来の間で迷っているのかもしれない。
そんな私の心の声を代弁するように、カズくんは「なんか、迷ってるみたいだね」と言う。
カズくんは、なかなか勘が鋭いかもしれない。
私のエスパーな親友、由美子なみに。
「……いや、俺は家を継がなきゃいけないから」
図星を突かれたからか、ハッとした宙くんは取ってつけたような答えを返す。
会社を継がなきゃいけないと、まるで自分に言い聞かせるような口ぶりだ。
おにぎりをもぐもぐと租借しながら話を聞いていたダイくんは、トドメとばかりにお茶で米粒たちを流し込むと、ようやく口を開く。
「あぁ、宙んちって不動産会社経営してるんだっけ。将来安泰だなっ」
「うーん……でも、宙はなりたそうに見えないけど」
笑うダイくんとは正反対の反応を見せるカズくんは、やっぱり鋭い。
まるでなにもかも見透かすように、宙くんを見つめている。
「宙、本当は会社を継ぎたくないんじゃない?」
「え、そんなことは……」
「なんて、簡単に言えないよね。これは俺の想像だけど、いいとこの家に生まれると周りからの期待もあるだろうし、自由に夢を持ったりするのは難しいんでしょう?」
核心という核心をとことん突いてくるカズくんに折れたのだろうか、宙くんは「あぁ」と言って苦笑いを浮かべる。
彼が素直に思っていることを口にした。
私の前では一度だって、本当の気持ちを打ち明けてくれたことはないのに。
でも、気づいてしまった。
カズくんはその考え方が間違ってるとは言わずに、宙くんの立場もちゃんと理解しようとしている。
彼が頑なになってしまう理由を分かったうえで、声をかけているから宙くんの心に言葉が届くのだ。
なのに私は、自分の気持ちだけを押しつけてしまった。
自分の夢を諦めて後悔しないはずがない、そんなの彼自身がいちばんわかっていることのはずだ。
それなのに責めるようなことばかり言って、宙くんが怒るのは当然のことだ。


