夜空に君という名のスピカを探して。

『もっと自分のことを話して知ってもらえば、友達ができるはずだよ』

「そんな上っ面の付き合いに、必死になるだけ時間の無駄だ」


 時間の無駄、上っ面の付き合い……。

友達全員がそういうわけじゃない。

足がすくんで踏み出せないとき、背中を押して勇気をくれたり。

くだらないことも、一緒にいるとバカみたいに笑えたりする。

そういう関係を友達と呼ぶのではないのだろうか。

 私にとっては、彩や由美子がそうだった。

もう会えない、そう思ったら胸が張り裂けそうなほどに痛くなる、そんな人達。

 そうだ、加賀見くんは強いんじゃない。人を信じることが怖い弱虫なのだ。


『加賀見くんは、まだ知らないんだよ』

「どういう意味だ」

『友達がどういう存在なのか、それを知ったら加賀見くんもいいなって思えるって』


 加賀見くんは人生を損している。

地位も名誉も人望も持っている彼には嬉しいとか、楽しいという気持ちが欠落していた。


「俺は加賀見不動産の跡取りだ。学校は経営学部のある大学に入学するための学力を養う場所であって、仲良しごっこをする場所じゃない」


 それは柔軟性というものをどこかにおいてきた、彼らしい言葉だった。

 仲良しごっことかではなくて、辛いときに支えてくれる仲間を作ってほしいだけなのだ。

それが伝わらないやりきれなさに、腹の底からふつふつと怒りがわいてくる。