あの月が丸くなるまで

「なんのこと? 島田君が前見てなかったから、いけないんじゃない?」

 それに対して島田君は口をつぐんでしまったから、前方不注意だったのも本当だろう。二人から顔を背けて私にごめん、と繰り返すと、島田君はそそくさと教室へと入っていった。

「大丈夫よ。まだ食べられるから」

「まあ普通の神経持ってたら、そんなひどいものを人に食べさせようなんて思わないでしょうけどね」

 くすくす笑っている二人に向き直る。

「私が食べるわよ」

「そういうお弁当が、梶原さんにはお似合いじゃない? 身の程を知れ、ってことよ」

「そうそう」

「そうね。私、料理作るのは得意だけど、顔盛ったり媚び売ったりは苦手だから」

「なっ……!」

 淡々と言ったら、とたんに彼女たちは気色ばんだ。