あの月が丸くなるまで

「美希の顔が見たかったんだよ。昨日は一緒に帰れなかったし、今週はデートできないし」

「なら、もう見たんだからとっとと帰りなさいよ」

「つれないなー。ま、しょうがないか。美希を、いつまでもそんな可愛い恰好で外に置いとくわけにいかないしね」

 は、と気づけば、私は部屋着のままだった。


 今夜は暑かったから、お風呂上りに着たタンクトップとショートパンツ。適当にアップにしてゴムで止めただけの長い髪は、えりあしの辺りなんかほつれて髪が乱れている。そして、あわててつっかけてきたのは、家族みんなと共用のサンダル。

 驚いてうっかりそのまま飛び出してきちゃったけど、とても外に出るような恰好じゃない。


 瞬時に頬が熱くなって、とっさに自分の体を抱きしめた私を、くすくすと上坂が笑った。