あの月が丸くなるまで

「……ホントに?」

「うん。もともと毛が細くてね。母親がこういう髪質だから、多分、遺伝だと思う」

「え……でも」

 言いかけた言葉を、私は慌てて飲みこむ。あまり、人ん家の事情に首を突っ込むものじゃないわ。



「んー?」

「ううん……なんでもない」

「美希の……髪も、きれい……」

 目を閉じていた上坂が最後は独り言のように言って、そのまま眠ってしまった。



 上坂は、寝つきも寝起きもいい。見ている限り毎日お昼寝してるけど、夜、ちゃんと寝ているのかしら。まあ、夜中まで遊び歩いているらしいしー? 誰と遊んでいるのかなんて、聞いたこともないけどー?