あの月が丸くなるまで

 上坂の洗ったお皿を拭いて、それぞれの棚にきちんとしまう。これで調理実習は終わりだ。

「まだ時間あるし、まとめ書いちゃう?」

 冴子は、プリントを取り出す。今日の計画が書いてあるそれに、あと感想と反省を書いて提出することになっている。

「そだね。ここで……」

「美希、終わり? じゃ、いこ」

 同じようにプリントを取り出そうとしていた私の手を、上坂が握った。


「いこ……って、どこへ?」

「腹いっぱいになったら、眠くなった。昼寝、つきあって」

「私は、枕じゃないんだけど」

「大丈夫よ、提出は来週だから」

「冴子?!」

「では、デザートいただいていきます」

 あっけらかんと言った上坂に目を丸くしていると、冴子がぼそっと私に聞こえるだけの声で言った。

「ノンフィクションで」

 何を話せというのよ。

 はあ。今日は、プリント提出できないか。