あの月が丸くなるまで

「……それはその通りだけど、真面目なつもりもがり勉なつもりもないから、正面切って言われるとむかつくわ」

「わりいわりい」

 全然悪いとは思っていなそうな顔で、仁田が一つに縛った私の長い髪を引っ張る。

「ま、あいつが我に返ってお前がフラれたら、俺が慰めてやるからさ」

「必要ないわよ」

 べい、とその手を払って、私は自分の席に戻る。それを待っていたように、午後の授業が始まる予鈴がなった。

 ああ、これ、全部読んじゃいたかったのに。金曜日はただでさえ持って帰るものが多くて嫌だから、せめてこの本くらいは返して帰りたかった。

 大きく息を吐いて、私はさっきまで読んでいた本をバックの中にしまった。

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