あの月が丸くなるまで

「ありがと、貴美。じゃあ、今度俺のチョコパフェ分けてあげる」

「えー? そう言いながら、蓮君は自分でみんな食べちゃうからなあ」

「俺、貴美にも弱いけど、甘いものにも弱いのよ」

 まるでバカップルのような会話を白けた気持ちで聞く。

 そーか、竹内さんも上坂のファンだったのか。

 基本的に、女子は上坂に対して甘い。というのは、私の偏見かもしれないけど。



「お前、飯ないのかよ」

 長谷部君は、人数分のはしを数えていた手を止めて聞いた。

「ないのー。めぐんで」

「いいけどよ。少し多めに飯たいてあるから」

 運動部の長谷部君は、残ったご飯でおにぎりを作って、クラブの前のおやつにするつもりだったらしい。和食というよりきっと、ご飯が好きなんだな。