あの月が丸くなるまで

「どちらかというと……バカにするような感じで笑ってた」

「ふーん? まあ、言いたい人には言わせとけばいいわよ。どうせ、一ヶ月もすれば彼氏じゃなくなるんだから」

「は? 何それ」

「だから、期間限定なの。うちら」

「……今日の帰り、詳しく聞かせてくれる?」

「あー……」

 私が微妙な顔になると、冴子はすばやく察してくれた。

「なるほど。今日も一緒に帰るんだ」

「夜、電話する」

「了解」

 そこで本鈴がなって、石原先生がのっそりと入ってきた。相変わらず時間に正確なところは、数学教師らしい。


 前を向いた私の目に入る、上坂に似た栗色の髪。

 そうだよね。やっぱり上坂の隣にいるべきなのは、ああいう子。

 私は、いそいで教科書を取り出した。