あの月が丸くなるまで

 私がお弁当を差し出すと、上坂は目を輝かせた。

「いいの?」

「こんなもので良ければ。その代り、そのカツサンド、ちょうだい」

 普段はお弁当持ちだから、なかなか購買のパンって食べる機会がない。たまにお弁当を持ってこない日でも、噂のそのカツサンドに今までありつけたことはなかった。


「おっけー! んじゃ、トレードね」

 軽く言った上坂は、私からお弁当を受け取ってカツサンドと交換する。

 私は、長年ひそかに憧れていたカツサンドの包みを開けた。ふわりと、ソースの香りが広がる。

 ほおー、これが……