あの月が丸くなるまで

「……行ってきます……」

「午後サボるなら、メールして」

「とっとと戻ってくるから!」

 私は冴子を睨みつけると、あきらめて上坂のあとを追った。


  ☆


「美希って弁当なんだ」

 屋上でお弁当を広げると、上坂は興味深そうにのぞき込んできた。そういう上坂は、購買で買ったパンを手にしてる。

 う、いいな、あのカツサンド。

 メンチカツじゃなくて豚ヒレのカツを使ってて、特製ソースで作られている。購買のパンで一番の人気商品で、もたもたしてると手に入らないやつだ。


「あまり、見ないでよ。今日は時間なくて適当につめたから……」

「え? これ、美希が作ったの」

「そうだけど」

「すごいな。美希って、勉強だけじゃなくて、料理もできるんだ」