あの月が丸くなるまで

「何か、用?」

「お昼一緒しようって言ったじゃん」

「OKした覚えはないけど?」

「じゃ、OKして?」

 断ろうとした私の頭に、ぽんと何かが置かれた。

「はい、お弁当」

 冴子が乗せたのは、私のランチバッグだった。



「ありがと、小野さん。さ、レッツゴー!」

「あ、ちょ、私のお弁当……!」

 上坂は私のランチバックを取り上げると、さっさと歩きだしてしまう。

「冴子……!」

「あんた、この雰囲気の中でもりもりとお弁当食べる食欲、出る?」

 こそりと言った冴子の言葉にあらためて考えるでもなく、なんであんたがと私に突き刺さる女子の視線で、今や私は針の山だ。