昇降口は、登校してきた学生たちでざわついていた。上坂に気づいた生徒が、次々に声をかけてくる。主に、女生徒が。
「蓮、おはよ」
「おはよ、玲子」
「蓮ー、おはよ!」
「やっちゃん、おはよー!」
そうして必ず私に、怪訝そうな一瞥をくれていく。まあ、気持ちはわかるけど。
私は二組で、上坂が五組。それぞれの下駄箱に別れるところで、上坂が私に言った。
「じゃ、美希、またお昼に!」
「お昼?」
「昼飯、一緒に食べよ。迎えに行くねー!」
「え? ちょ……」
私が何か言う前に、上坂はあっという間に自分の下駄箱の辺りに見えなくなってしまった。呆然とその後ろ姿を見送ってると、ぽんと、肩を叩かれる。
「蓮、おはよ」
「おはよ、玲子」
「蓮ー、おはよ!」
「やっちゃん、おはよー!」
そうして必ず私に、怪訝そうな一瞥をくれていく。まあ、気持ちはわかるけど。
私は二組で、上坂が五組。それぞれの下駄箱に別れるところで、上坂が私に言った。
「じゃ、美希、またお昼に!」
「お昼?」
「昼飯、一緒に食べよ。迎えに行くねー!」
「え? ちょ……」
私が何か言う前に、上坂はあっという間に自分の下駄箱の辺りに見えなくなってしまった。呆然とその後ろ姿を見送ってると、ぽんと、肩を叩かれる。