あの月が丸くなるまで

 朝からものすごい脱力感に襲われる。

 ホント、こいつの神経って、真面目に相手してたらやっていけない……ああもう、悩んで損した。


「やったね、ドッキリ作戦大成功! そのトキメキがいつか恋へと……」

「はいはい」

 浮かれた言葉を軽く流して歩き始めた私の後について、上坂はのんきについてくる。

「ねえ、昨日は美希につきあったんだから、今度の週末は俺の方につきあってくれる?」

「だから、行かないってば」

「あ、違う違う。残念だけど、ホテルはあきらめるよ、今は。だから、普通にデートしよ?」

 私は、隣の上坂を見上げた。今は、って言葉にはひっかかるけど。