あの月が丸くなるまで

「莉奈さんは、ちゃんと避妊してるの?」

「も、もちろんよ」

 そう言って目をそらす。

「参考までに、どんな方法か聞いてもいい?」

 それでも聞くと、莉奈さんは困ったように振り向いた。その顔はほんのりと桜色にそまってて、女の私から見ても色っぽい。


「えとね」 

 莉奈さんはこそこそと顔を近づけて教えてくれた。それは、莉奈さんの体の周期を確実に把握して、なおかつ拓兄もアレをつけるというものだった。

 自分から聞いといてなんだけど、身内のそういう話を聞くのって、なんだか生々しいな。

「入れる前からつけないと、避妊にならないからね。それでも、リスクは0じゃないの。拓巳は、ちゃんとそれをわかってくれてる。私のこと、とても大事にしてくれているわ」

 きっぱりと言い切る莉奈さんに、無意識のうちに私は微笑んでいた。