あの月が丸くなるまで

「美希ちゃん、彼氏いたんだ」

「最近できたの」

 最近も何も、一昨日から一ヶ月間の期間限定彼氏ですけど。


「うーん……こういうことって人それぞれだから一概に言えないけど、つきあってすぐってのも、早くない?」

 再び洗い物を始めた莉奈さんは、首をかしげる。

 この人は、そんな小さな仕草もかわいいんだ。黙って立っていればすごく美人な人なんだけど、笑顔とか言葉とか、動いている莉奈さんはどっちかっていうとかわいいっていう雰囲気なんだよね。

 すらりとした身体。百七十センチ以上ある身長を気にしているけど、それでも常に背筋が伸びた姿勢はとてもきれいだ。

こういう人だったら、どんな格好しても似合うんだろうな。


「やっぱりそうかな。あんまり構えることないって、あいつは言ってたけど」

「……美希ちゃんはどうなの? そういうこと、したいの?」

 私は、大きなお鍋の中の豚汁を小さい鍋に移しかえながら答えた。今夜は豚汁だったのか。いいな。