あの月が丸くなるまで

「別に。ごはん、食べてきたからいらない」

「あそ。なら、風呂入るか?」

「ん。ちび達は?」

「飯の前に入った。海は莉奈と入ってたな」

「莉奈さん、来てるの?」

「今、下で片付けしてる。お前が食べるなら用意するけど、って」


 莉奈さんは拓兄の彼女で、調理専門学校に通っている。去年までは和食を習っていたけど、今は製菓部門に入りなおしたという、妙に料理に気合の入っている人だ。うちに来るたびに食事を作ってくれて、私も一緒に作りながらお料理を教えてもらうことが多い。

 勢いよく自分の部屋に入ってきちゃったから、キッチンに莉奈さんがいるの、気付かなかったわ。

「お夕飯はいらないけど、後片付け、私も手伝うわ」

「じゃ、降りて来いよ」

「はーい」

 私は勢いよく、ベッドから飛び降りた。

 そうだ。莉奈さんに、話してみようかな。