「俺、この高校に来て、本当によかったなあって」
「そ?」
「うん。美希に、会えた」
私は、隣の上坂を仰ぎ見る。上坂も、穏やかな表情で私を見下ろしていた。
「もとといえば、ここらじゃ名門だからって親に決められた学校だった。入学した時はなんの感慨もなくて、ただ大学に行くための通り道、くらいにしか思ってなかったんだ。けど、ここでお前に会えた」
細められた目を、じ、と見返す。
以前は、こんな大人びた顔つきで笑うことなんてなかった。未来を自分で決めた上坂は、時々こんな顔をするようになった。
「美希に会えたから、俺は自分の本当にやりたいことをあきらめなくて済んだんだ。感謝してもしきれない。ありがとう」
「そ?」
「うん。美希に、会えた」
私は、隣の上坂を仰ぎ見る。上坂も、穏やかな表情で私を見下ろしていた。
「もとといえば、ここらじゃ名門だからって親に決められた学校だった。入学した時はなんの感慨もなくて、ただ大学に行くための通り道、くらいにしか思ってなかったんだ。けど、ここでお前に会えた」
細められた目を、じ、と見返す。
以前は、こんな大人びた顔つきで笑うことなんてなかった。未来を自分で決めた上坂は、時々こんな顔をするようになった。
「美希に会えたから、俺は自分の本当にやりたいことをあきらめなくて済んだんだ。感謝してもしきれない。ありがとう」



