自信が欲しくて、上坂にメイクを教えてもらおうとしたこともある。けど、『美希はそのままでいい』といってメイク自体を禁止されてしまった。私だって少しは可愛くなりたいと食い下がったら、困ったように視線をそらして、だめ、と言われた。
どうせ代わり映えしない、とその顔が言っているようで、ちょっと傷ついた。やっぱり、ケンジさんレベルは特別なんだ。結局私は、上坂と一緒にいても野暮ったい女子高生のままだった。
そして。
「……私たちは、この三年間で積み重ねてきた数多くの自信と共に、今日、この学び舎を巣立ちます。そうしてこの歴史ある鷹ノ森高等学校の名に恥じぬよう、胸を張って未来へと邁進してまいります。最後になりましたが、今後ますますの鷹ノ森高等学校の発展と、ご来賓の方々を始め、校長先生、諸先生方、そして在校生の皆様のご健勝とご多幸を祈念し、卒業生の答辞といたします。卒業生代表、梶原美希」
読み上げた答辞を校長先生に渡した後、体育館中に響く拍手の中で私はゆっくりと段を降りる。
どうせ代わり映えしない、とその顔が言っているようで、ちょっと傷ついた。やっぱり、ケンジさんレベルは特別なんだ。結局私は、上坂と一緒にいても野暮ったい女子高生のままだった。
そして。
「……私たちは、この三年間で積み重ねてきた数多くの自信と共に、今日、この学び舎を巣立ちます。そうしてこの歴史ある鷹ノ森高等学校の名に恥じぬよう、胸を張って未来へと邁進してまいります。最後になりましたが、今後ますますの鷹ノ森高等学校の発展と、ご来賓の方々を始め、校長先生、諸先生方、そして在校生の皆様のご健勝とご多幸を祈念し、卒業生の答辞といたします。卒業生代表、梶原美希」
読み上げた答辞を校長先生に渡した後、体育館中に響く拍手の中で私はゆっくりと段を降りる。



