「まずは私たち、それぞれの夢を叶えなくちゃね」

「夢? お前は薬剤師だろ? あいつに夢なんてあるのか?」

「内緒」

 すまして言ったら、莉奈さんが、ふふ、と笑った。なんだか、莉奈さんにはいろいろ見透かされているみたい。


 自分の夢も、自分の気持ちも。両方うまく追いかけられるほど自分が器用だとは思わないけど……まだ、どちらも諦めなくていいのなら。

 ちょっと、がんばってみてもいいかな。


 とりあえず、帰ったら上坂にメールしよう。

 明日のお弁当、何がいいのか。


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