あの月が丸くなるまで

「このまま、終わらせることもできる。けれど、まだ続けることだって、きっとできるわ。彼だって、諦めないって言ってたじゃない。だから、もし美希ちゃんが彼のことを好きなら、その気持ちを諦めることはないんじゃないかしら」

 優しくなだめるような莉奈さんの言葉に、濡れた目をしばたく。

「でも……だけど……」


 諦めるつもりだった。これで終る、はずだった。

 満月のその先を、考えてはいなかった。



 期限付きの付き合いだったから、上坂の彼女、という立場に甘んじることもできた。けれど、その期限がなくなってしまったら、自分のことを上坂の彼女なんて言う自信が、ない。