「どうも。……何か、用ですか?」

「うん。あのさ」

 首をかしげる私に、ずい、と上坂は顔を近づけた。

 あ、肌がきれいなのは意外。

「俺と、つきあってよ」

「どこへ? もう四限始まるわよ?」

 私の言葉に、上坂は、ふ、と笑った。その笑顔の破壊力に、さすがの私も息をのむ。

 柔らかそうなふわりとした茶髪に、適度に日焼けした綺麗な肌。すっきりとした鼻筋の上にある瞳は、大きくて黒い。

 女子が騒ぐのも、わかるなあ。自分の魅力を十分に自覚してる顔だ。