あの月が丸くなるまで

「なら、つきあってほしいとこがあるんだけど」

「いいわよ。どこ?」

「とりあえず、何か食べようか。あ、おごりでなくてもいいから」

 やけにご機嫌になった上坂について、私は図書館を後にした。


  ☆


「は?」

 食事はおいしかった。気軽な感じのイタリアンで、パスタを食べて、結局おごるおごらないでひともめした後折半して……いや、それはともかく。

 レストランを出た私に、上坂はまたもや爆弾発言を落とした。


「なんですって?」

「だから、お腹もいっぱいになったしホテル行こうって」

 聞き直して言い直されても、上坂が何を言ってるのかわからない。

「ホ……テル?」

「うん」

「……で、何するの?」

「いやん、美希ちゃんたらダ・イ・タ・ン。ホテルで男と女がすることって言ったら、一つしかないでしょ?」

 フル回転した脳みそで、その言葉の導く意味をなんとか引き出す。

 つまり……ひねりもなにもなく、そういうこと、だよね。