「うん。俺も、やりたいことをやりたいって、言っていいんじゃないか、って思うようになったんだ。俺、東京タワーで聞くまで、美希が学年一位をキープしている意味なんて考えたこともなかった。あん時はすごいな、って思ったけど、なりたくてずっと頑張っていること、実は俺にだってあるんじゃん、って気づいて。ここに通っていることがばれないように成績も落とさないようにしてきたし、学校の勉強のあとで美容師の勉強をほとんど徹夜でするようなこともあった。そんなに好きで諦めきれないのに、俺はその将来を選んで生きようとしてなかった。だから、『なりたい自分』をはっきりと語れる美希を見て、目から鱗が落ちた気分だった」
「それで、ご両親に話してみたんだ」
私が言うと、急に上坂は神妙な顔になって私を見た。
「直接的なきっかけになったのは、美希の入院」
「へ? なんで?」
「それで、ご両親に話してみたんだ」
私が言うと、急に上坂は神妙な顔になって私を見た。
「直接的なきっかけになったのは、美希の入院」
「へ? なんで?」



