あの月が丸くなるまで

 渡すことを口実に、会いに行ってもいいかな。

「お預かりします」

 私が言うと、お母様も、ゆっくりと頷いた。


  ☆


 上坂のところへは、松井さんが車で送ってくれることになった。制服のままだった私は、一度家に寄って私服に着替えることにする。


「却下です」

「はい?」

 家からでてきた私を見て、松井さんは腕組みをしたまま渋面で言った。

「なんですか、その服装は」

「え……おかしいですか?」

 ジーパンに薄手のパーカーは、この時期の私の普段着だ。