あの月が丸くなるまで

「そうなの。お友達は多いみたいだけど……」

 少しだけ、お母様の表情が曇った。もしかして、いつも遊び歩いているメンバーのことなのかな。

「はい、とても多いと思います。私は、上坂君とはクラスが違うのですが……」 

 調理実習に乱入してきたときのことを思い出す。



「誰とでも、すぐに仲良くなれるのが、彼の特技じゃないでしょうか。男女関係なく、上坂君の周りにはいろんな人たちが集まってきます」

「いじめられていたりは、しない?」

「いじめ……ですか?」

 不安そうなお母様の顔を見返す。

 上坂に、いじめ? されることもすることも、上坂とは結び付かない。