あの月が丸くなるまで

「お、おじゃましております。梶原と申します」

 あわてて頭を下げる私に、お母様ははんなりと笑った。

「蓮の母です。どうぞ、お座りになって?」

「はいっ」

 な、なんで、お母様が? 緊張する……

 お母様は、私の前のソファに座ると、紅茶を手に取った。うえええええ、お母様の分だったの?


「少し、お話をしてもよろしくて?」

「は、はいっ」

「蓮のことだけれど……あの子、学校ではどんな風にすごしているのかしら?」

 おっとりと、お母様は笑う。

「ええと……そうですね。いつも笑顔で、みんなの人気者、です」

 こういう時って、何て言ったらいいんだろう。

 チャラくて女にだらしないです、なんて、絶対に言えないよね。