あの月が丸くなるまで

「上坂は、元気なんですか?! それだけ聞いたら、ここで失礼します! ご迷惑はおかけしません!」

 噛みつくように言った私に、その男性は表情を緩めた。さっきみたいなバカにした笑い方じゃない。

「申し訳ありません」

 その男性は、やわらかい笑顔で私に近づいて来る。




「あなたの本心を確かめるためとはいえ、失礼な真似をいたしました。お許しください」

「あの……?」

「あなたの心配は、蓮様のことなのですね。どうやら、いつもの浮ついたお友達とは違うようだ」

 言われて気付いた。

 この人……わざと、私を怒らせたんだ。