あの月が丸くなるまで

「つきあってる、ってほどのことでもないですけど……」

「上坂君の進路のこと、何か聞いている?」

 唐突に、小早川先生が聞いてきた。

 上坂の……進路?


「さあ……聞いたことないですけど。どうしてですか?」

「そっか。彼女ならもしかしたら知ってるかな、と思ったんだけど……一応、進路調査票には進学になってて、志望校には有名国立大がずらずらと並んでいたんだけどさ」

 先生は首をかしげる。

「僕と話した感じでは、どうも進学よりも他に何かやりたいことがありそうなんだよね」

「やりたいこと……」

『俺の話も、聞いてくれる?』

 そう言っていた上坂の夢。上坂は、何になりたいんだろう。