あの月が丸くなるまで

「聞いてこようか?」

「誰に?」

「先生」

「そんなの、簡単に教えてくれるわけ……」

 言いながら、思い出した。

 上坂のクラスの担任は、小早川先生だ。


 私は、声をひそめて冴子に近づく。

「そんなことして、いいの?」

「職権乱用には違いないけど、美希の周りにできてるうっとうしすぎるブラックホールがどうにかなるなら、許容範囲内でしょ」

「ブラックホール……?」

「ここんとこの美希って、特技ため息、になっている」

「え……嘘。自覚なかった」

「でしょうね。とにかく、気になっているなら確かめてみなよ」

「でも……連絡くれないってことは、私には用がないってことでしょ? そんなとこにわざわざ連絡したら、それこそうっとうしいって……」