「総合病院の跡取りとして、優秀な成績、人柄を子供のころから常に求められてきた。でも、さすがに思春期にもなれば、親に言われた通りの人生に疑問も浮かぶようになる。だからと言っても、その頃はもう俺の周りは、それを口に出せる環境じゃなかったけどね。おかげで、親の前では素直ないい子、その分、裏では羽目をはずす、そんな生活が俺の当たり前だった」
「女子が食いつきそうな生い立ちですね。口説くときの常套手段ですか」
「厳しいなあ」
アイスオレを飲みながら言った私に、岡崎さんは苦笑した。
「こんな話、めったにしないよ。女子が俺に求めてくるのは、経済力と包容力。ついでに友達に自慢できる容姿。楽しく遊べればいいだけだから、めんどくさい背景なんて必要ないんだ。ま、俺らだってそれを承知で遊んでいるんだから、おあいこだけど」
「さみしいですね」
「……そうだね」
「上坂も、そうなんでしょうか」
自分の価値をそれだけと承知して、それほど興味もない彼女を次々と変えて。
「女子が食いつきそうな生い立ちですね。口説くときの常套手段ですか」
「厳しいなあ」
アイスオレを飲みながら言った私に、岡崎さんは苦笑した。
「こんな話、めったにしないよ。女子が俺に求めてくるのは、経済力と包容力。ついでに友達に自慢できる容姿。楽しく遊べればいいだけだから、めんどくさい背景なんて必要ないんだ。ま、俺らだってそれを承知で遊んでいるんだから、おあいこだけど」
「さみしいですね」
「……そうだね」
「上坂も、そうなんでしょうか」
自分の価値をそれだけと承知して、それほど興味もない彼女を次々と変えて。



