あの月が丸くなるまで

 実はおとといからずっと、上坂からの連絡はなかった。

 手元の携帯を、じ、と見つめる。

 そういえば、私から連絡とったことってないな。………………一応、彼女なんだから、こっちから連絡してもいいのかな。でも、なんて言えばいいんだろう。

 しばらく悩んだけれど、結局私はそのまま携帯の電源を落としてカバンの中にしまってしまった。

 ま、いいや。そのうち、なんか言ってくるだろう。


 けれど、お昼になっても上坂は現れず……その日から上坂は、姿を消してしまった。



 ☆



 予備校の講習が終わると、私は携帯をカバンからとりだして電源を入れる。けれどそこには、期待したようなメッセージは入っていなかった。


 結局今週は一度も、上坂からは連絡がなかった。というより、学校にもきていないし、どうやら他の人も上坂とは連絡がつかないみたいで何人かに上坂のことを聞かれたりした。