「美希と一緒の時間を邪魔されたくなかったんじゃない?」

「へ?」

「あいつ、思ったより美希の事本気なのかも」

 独り言のようにつぶやく冴子に、ぶんぶんと首を振った。

「それこそ、ないない」

「そうかなあ……まあ確かに美希って、上坂にしてみれば今までにないタイプだよね。一体美希の何が気に入ったんだろう」

「それはこっちが聞きたいよ」

 私が眉をしかめると、ホイッスルの音がした。授業終了までまだあるけど、どうやらやる気のないのは先生も同じようだった。

 と思ったら、次の授業の邪魔になるので、バレーで使ったネットをしまう時間が必要だったらしい。私たちが片付けるのか、これ。