あの月が丸くなるまで

 模試、朝から全部受けてたみたいだし、この人もセンター受けるんだろう。試験が終わって余裕な顔していられるのは、よほど出来がよかったか、結果なんてどうでもいいかのどちらかだ。ひやかしで受けてるんじゃないんだったら、きっと前者だろう。

 あと、きっとこの人も上坂と同じで、自分が女性を引き付ける魅力があるって自覚している人だ。学校と遊びをきっちり使い分けることができるあたり、人生失敗しないタイプ。



 とん、と最後の階段をリズミカルに降りると、岡崎さんは私の行く先を遮るように目の前に立った。あらためて同じフロアに立つと、上坂と同じくらい背が高い。

「この後、時間ある?」

「お茶しない? とかいう使い古されたセリフを吐いたらバカにしますよ?」