あの月が丸くなるまで

「君、昨日渋谷で、蓮と一緒にいただろ?」

「は?」

 私は、改めてまじまじとその男子の顔を見つめた。……昨日? 確かに昨日は、上坂と一緒に美容室いって映画見て買い物とかしてたけど、どこかで見られたのかな。

 でも、なんでこんな風に声かけられるんだろう。

 私が戸惑っているのがわかったんだろう。その男子は笑いながら付け加えた。

「これなら、わかる?」

 言いながらその男子は、自分の前髪を片手で全部あげてみせた。

「あっ!」

 美容室を出て、上坂ともめているときに会った男子三人組のうちの一人だ!


「やっぱり。っていうかさ、俺、よくここで一緒に講習受けてるんだけど、憶えてない?」

「ええと、なんとなく……」