あの月が丸くなるまで

 あ。それ。

 最近よく見るようになった、学校ではしない優しい笑顔。

 なんだかそれは、少しだけヤバイ気がする。

 私は、上目遣いでその顔を睨んだ。余裕な態度が、ホントむかつく。



「美希の食べたいもの、何?」

「……………………ハンバーグ」

「おっけ。煮込みハンバークのうまい店、知ってんだ。行こ。それから、予定通りに映画、な。その後少し、買い物つき合ってよ」

 勝手に予定を並べながら私の手を取ると、上坂は人波をぬって歩き出した。

 そうしてなし崩し的に、今日の私たちのデートは続行となってしまった。