あの月が丸くなるまで

 中央の、短い髪をつんつんと毛羽立てた男子が声をかけてくる。……銀髪? 

「俺らこれから『ダブル』行くんだけど、お前もいかね?」

「わり、俺今デート中」

「新しい彼女?」

 長めの髪に赤いメッシュをいれた男子にじろじろと見られて、思わず上坂の後ろに隠れる。男子たちは、おー、と口をそろえて声を上げた。

「これはまた新鮮な反応だな。よく見れば、めっちゃかわいーじゃん。清純系? 彼女ちゃんも一緒に遊ぼうよ」

「昼飯まだだったら、彼女も一緒にどう?」

「ちょっとー、せっかくのデート、邪魔しないでくれる?」

 軽く笑ってはいたけど、上坂は彼らからかばように私の前に立ってくれた。上坂の背中が、今ほど頼もしく見えたことはない。