あの月が丸くなるまで

「それでも、今は俺のものだよ」

「上坂は?」

「俺が、何?」

「上坂は、私のものなの?」

 一瞬目を見開いた上坂が、にやり、と上坂が笑う。

「俺は、俺のものだよ」

「……それ、一番最低な答え」

 私が顔をしかめた時、軽いメロディーが流れた。

「あ、ちょっとごめん」

 手を離した上坂がポケットからスマホを取り出す。

 ああ、またか。

 せっかく可愛くしてもらって浮かれてた気持ちが、しゅるしゅると沈んでいく。



「真理ちゃん? ごめーん、今デート中なんだ。……うん……そう。えー? 俺だって会いたいよー。……うん、わかってるって」