あの月が丸くなるまで

「そもそも、つき合っていること自体が疑問ですね。上坂に対しては、彼女の定義を半日かけて問い詰めたい気分です」

 どうにも、やつにはいいように振り回されている感が抜けない。

 ぷ、とケンジさんが吹いた。

「美希ちゃんて、面白いわ」

「そうですか? むしろ、つまらないって言われることの方が多いですけど」

「真面目なのね」

「そっちの方がよく言われます」

 さっき、上坂にも言われたし。

 私の声が不機嫌に聞こえたのか、ケンジさんがあわてて言葉を繋げた。

「あら、ごめんなさいね。悪い意味じゃないのよ。真面目、結構じゃない」