あの月が丸くなるまで

「蓮とは長いの?」

「え?」

 私を椅子に座らせてばさりとカットクロスをかけたケンジさんは、機嫌よく話しかけてくる。

「彼女なんでしょ?」

「一応」

「一応?」

 見ているとケンジさんは、ちゃっちゃと私の髪をといて器用にまとめていく。

「来月にはフラれる予定ですから」

「は?」

 ケンジさんは目を丸くしたけれど、その手は止まらない。


「どうして?」

「そういう約束なんです」

「あなた、蓮の彼女よね。どういうつきあいなの?」