あの月が丸くなるまで

 青石さんは、今でも上坂のこと好きなんだろうな。どれほど私が恋愛にうとくても、それくらいはわかる。

 今、どんな、気持ちなんだろう。


 私の反応が薄かったせいか、それ以上何も言わず、青石さんは私に背を向けて、席へと歩いていった。そこで、今のやり取りを見ていたらしい玉木さんと何か話をして、二人してこっちを見てくすくすと笑っている。


「どういうんだろうね、あれ」

 呆れたように、冴子が言った。

「ぼちぼち、私も身の回りに気をつけた方がいいかな」

「そうね。あんた意外にドジなとこあるから」

「そんな風に言ってくれるのは、あんただけよ」

「学年トップの頭脳を持った才女が、実はおしゃれに興味のないドジっこだったって?」

「そこまでひどくない。……と思う」

 ちょうどその時チャイムが鳴って、私たちは笑いながら席へと戻った。


 明日は、新月。