あの月が丸くなるまで

「なんで怒ってんだよ。なんで、喜んでくれないんだよ。だったら、美希はどうしたら笑ってくれるんだよ!」

「笑うなんて……上坂がいてくれたら、私それでだけで笑っているじゃない!」

「は?」

 それまで明らかに怒っていた上坂が、きょとんとした顔になる。


「鉄仮面とか呼ばれてばかにされてる私が、あんたの前じゃ悔しいけれど笑っちゃっているでしょ? 一緒にお弁当食べて、私、ちゃんと笑っているじゃない」

「美希……」

「一緒にいて、同じものを見て、同じことで笑って……もし私が上坂の本当の彼女だったら、同じ時間とか経験を共有することが、一番嬉しい」

「……」