あの月が丸くなるまで

「……だからいいって言ったのに。図書館の本が、三冊。それと、辞書」

「うええ、辞書、持って帰ってんの……なんで本が三冊も?」

「週末読もうと思って、まとめて借りてきたの」

 空になったカップを二つゴミ箱に捨てると上坂は、バックを取り返すことをあきらめた私と並んで歩き始めた。

 外はすっかり暗くなっていた。学校まで戻る道を、私たちは並んで歩きはじめる。

「何借りてきたの?」

「世界名作全集」 

 それを聞くと、上坂は思い切り顔をしかめた。

「全集かよ。どーりで重いわけだ」

「昼に上坂に声かけられなきゃ、二冊で済んだのに」