電話口から聞こえてきたのは、小学五年生位のあどけない男の子の声だった。




「もしもし、探偵Iさんですか……」






「はい、そうです。私が探偵Iです。まず、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」




「僕は、田中 健児 (たなか けんじ)です」





「田中 健児様。では、続いてご質問を一つしてもよろしいでしょうか?」



「はい」



「この探偵事務所を、どうやって知りましたか?」




「家にある、パソコンです……」





「ありがとうございます。では、御依頼の内容は──?」




「親友。……友達。友達に、困っています」



「お友達──、」