キミに伝えたい愛がある。

「本当にこの辺りって静かだし、灯りも少ないね。おばあちゃんが心配するのも頷けるよ」


「今日はありがとう。楽しかったよ」


「なら良かった。また夏休み中遊びに行こうね。空いてる日あったら教えて」


「うん、分かった」


「じゃあ、またね。お休み」


「お休みなさい」



空くんを見送ると、私はダッシュで家に入った。


疲れたから今すぐにでも布団にダイブしたかったが、祖母にただいまを言わなくては。


居間の戸を開けると、そこには祖母はいなかった。


代わりにあったのは、置き手紙だった。



"夏祭りの出店の手伝いに行ってきます。

8時過ぎには戻るよ。

ばあちゃんより"



私は壁掛けの時計を見た。


針は8時50分を指している。


おばあちゃん、まだ神社かな?


歳も歳だし、心配になる。


夜道は怖いけど、行くしかない。


向かっている間に会えるかもしれないし、とりあえず行こう。


財布とスマホだけをショルダーバッグに入れ、私は駆け出した。