キミに伝えたい愛がある。

「花火あっという間に終わっちゃったね」


「そうだね。でも、すごくキレイだったよ」


「来年は2人共大学生だから、遠出してもっと有名な花火大会に行こうね」


「うん」



来年私は大学生になれているのだろうか。


受験に受かる気がしない。


そもそも受験生がこんなところにいていいの。


東大を目指す人は絶対塾に居てしごかれてるよ。


あぁ、また後悔だ。


明日からまた頑張らなきゃ。



「ちーちゃんどうしたの?」


「あっ、いや...そのぉ」



私の脳内に名案のテロップが現れた。



「そのぉ、祖母が9時までには帰って来なさいって。帰って来なかったら警察に言うとか言ってたから、怖くなって...」


「そっか。僕はもうちょっと一緒にいたかったけどしょうがないね。大人しく帰ろうか。もちろん家まで送ってくよ」


「ごめんね。来年からはそういうの無くなるから」


「そうしてもらわないと困る。僕とちーちゃんの時間が意に反して短くなっちゃうから」



私の意思はきっと無くなる。


空くんの意思が私の意思になっていくんだ。


それを嬉しいと思わなきゃダメなんだ。


それが交際するってこと。


人を好きになるってこと。


そう思いたい。