日々というのは、早く過ぎてしまうものだ。
8月5日は遅れずにやって来た。
空くんとはヤマブキ町駅で待ち合わせをし、そこから一緒に会場まで歩いて行った。
その最中何度も浴衣のカップルとすれ違い、その度に「気にしないで」と言われるから逆に気になってしょうがなかった。
ずっと申し訳ない気持ちに苛まれ、浴衣姿のお姉さん達がキラキラして見えて穴があったら入りたい、いや掘ってでも入りたいなんて思っていた。
「今日さ、席確保したから、そこから見られるよ。楽しみだね」
「わざわざありがとう」
「そんなの当然だよ。別にお金払ってとか言わないから」
「えっ...お金?いくら?」
「いやいや、大丈夫大丈夫。千円くらい僕が出すよ。僕が誘ったんだし」
私は財布をバッグから出して野口英世さんを1枚出した。
「こういうのはちゃんとしないと」
「そう?なら、いただくね」
私は空くんの財布に吸い込まれていった野口さんを見てさらに悲しくなった。
お年玉を貯めて使わないようにしていたのに、こんなことでいなくなるなんて思っていなかった。
本気で帰りたくなって来てしまった私をよそに、空くんのテンションは上がっていく。
「ちゆりちゃん、何食べたい?それとも、何かやる?」
帰る。
なんて言えるはずないので、私は適当に射的がしたいと言った。
「分かった。じゃあ、行こうか」
私は今更ながら、空くんとの交際を承諾したことを本当に後悔していた。
私の気持ちが追い付いていないから、完全に空くんの一方通行になってしまい、迷惑をかけている気がする。
「ちゆりちゃんどうしたの?大丈夫?」
「うん、大丈夫。ちょっとお腹も空いてきちゃったみたい。何か食べてからでもいいよ」
「そっか。じゃあさ、食べ歩き出来るように大判焼きかなんか買おうか」
「うん、じゃ、それで」
8月5日は遅れずにやって来た。
空くんとはヤマブキ町駅で待ち合わせをし、そこから一緒に会場まで歩いて行った。
その最中何度も浴衣のカップルとすれ違い、その度に「気にしないで」と言われるから逆に気になってしょうがなかった。
ずっと申し訳ない気持ちに苛まれ、浴衣姿のお姉さん達がキラキラして見えて穴があったら入りたい、いや掘ってでも入りたいなんて思っていた。
「今日さ、席確保したから、そこから見られるよ。楽しみだね」
「わざわざありがとう」
「そんなの当然だよ。別にお金払ってとか言わないから」
「えっ...お金?いくら?」
「いやいや、大丈夫大丈夫。千円くらい僕が出すよ。僕が誘ったんだし」
私は財布をバッグから出して野口英世さんを1枚出した。
「こういうのはちゃんとしないと」
「そう?なら、いただくね」
私は空くんの財布に吸い込まれていった野口さんを見てさらに悲しくなった。
お年玉を貯めて使わないようにしていたのに、こんなことでいなくなるなんて思っていなかった。
本気で帰りたくなって来てしまった私をよそに、空くんのテンションは上がっていく。
「ちゆりちゃん、何食べたい?それとも、何かやる?」
帰る。
なんて言えるはずないので、私は適当に射的がしたいと言った。
「分かった。じゃあ、行こうか」
私は今更ながら、空くんとの交際を承諾したことを本当に後悔していた。
私の気持ちが追い付いていないから、完全に空くんの一方通行になってしまい、迷惑をかけている気がする。
「ちゆりちゃんどうしたの?大丈夫?」
「うん、大丈夫。ちょっとお腹も空いてきちゃったみたい。何か食べてからでもいいよ」
「そっか。じゃあさ、食べ歩き出来るように大判焼きかなんか買おうか」
「うん、じゃ、それで」



